こんにちは!高澤歯科クリニックです。
「ごはんを飲み込むのに時間がかかる」「食べ物を口に入れたまま、なかなか飲みこまない」「水を飲んだ時によくむせる」
お子さんにそんな様子はありませんか?
実は、「飲み込む(嚥下)」という動作は、大人が思う以上に複雑で繊細な動きです。
子どもがうまく飲みこめないのには、いくつかの理由があります。
■嚥下は自然にできるようになるもの?
生まれたばかりの赤ちゃんは、本能的に母乳やミルクを吸う「吸啜(きゅうてつ)」の反射を持っています。
しかし、成長とともにこの反射は薄れ、代わりに「自分の意思で飲み込む」動作が必要になります。
つまり、嚥下は成長に伴って「学び、獲得していく」機能なのです。
しかし、その発達がうまく進まないと、飲み込みにくさが現れることがあります。
■飲み込むのが苦手な理由
子どもが飲み込みを苦手になってしまうのには、下記のような原因が考えられます。
1.口腔機能の発達の遅れ
舌や顎、口まわりの筋肉の使い方が未熟なため、食べ物を口の中で上手にまとめたり、喉に送ったりすることが難しくなります。
2.柔らかい食べ物ばかりの食生活
近年、噛まずに飲み込める食品が増え、噛む力や舌の動きを十分に使わない食生活が一般的になってきています。
これが筋肉の発達を妨げ、嚥下にも影響を及ぼします。
3.口呼吸や不適切な姿勢
口を開けたまま呼吸している子どもは、舌の位置が安定せず、飲み込み動作がスムーズにできません。
また、猫背などの悪い姿勢も、嚥下に大きく関わってきます。
4.癖や習慣の影響
長時間の指しゃぶり、哺乳瓶の使用、下で前歯を押す癖なども、嚥下機能の発達を妨げる要因になります。
■歯科医院でできるサポート
歯科医院では、お子さんの「飲み込む力」も大切な成長の一部としてとらえ、飲み込みやすい口腔環境づくりのために、下記のようなサポートを行っています。
●口腔機能の検査・診断
●MFT(口腔筋機能療法)によるトレーニング
●姿勢や食べ方のアドバイス
●保護者の方へのサポートと指導
お子さんの問題を早期に見つけ、専門的なトレーニングを取り入れることで、多くの子どもたちが自然な嚥下を取り戻すことができるようになります。
■まとめ
「そのうちできるようになる」と見過ごされがちな飲み込みの問題ですが、
これが将来的な発音障害、歯並びの乱れ、偏食などにつながることもあるのです。
お子さんの「飲み込むのが苦手かも?」と気づいたら、まずは歯科医院へご相談ください。
私たちは、お子さん一人ひとりの成長に合わせて、しっかりサポートしていきます。